バイクのユーザー車検に初めて落ちた!再検査の費用や対処法を解説

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!ユーザー車検に落ちて頭が真っ白になっているライダーへ向けた、パニックからプランへ切り替えるためのガイド表紙

こんにちは。高級モトクラブ、運営者の「A」です。

意気揚々と愛車に跨り検査ラインに並んだものの、無情にも告げられた「不合格」の判定。今、まさにこの画面を見ているあなたは、これからどうすれば良いのかとスマホを片手に検索して、不安や焦りを感じている真っ最中かもしれませんね。

バイクのユーザー車検に初めて落ちたとき、再検査の費用はどうなるのか、手続きは面倒なのか、あるいは当日に何回まで受けられるのか、後日の検査はどうなるのかといった疑問が次々と湧いてくるものです。

光軸がズレていたのか、マフラーの音量で引っかかったのか、それとも書類の不備だったのか、原因は様々でしょう。でも安心してください。私も過去に何度も冷や汗をかいた経験がありますが、適切な手順さえ踏めばリカバリーは決して難しくありません。

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!ユーザー車検不合格は終わりではなく愛車の状態を知る通過点であるというメッセージ
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本記事のポイント
  • 初めての不合格でも落ち着いて対処できる具体的なリカバリー手順
  • 再検査にかかる費用や1日3回までの受検ルールに関する正しい知識
  • ヘッドライトやマフラーなど多くのライダーがつまずくポイントの対策
  • 限定自動車検査証を活用して後日再検査を受ける際のメリットと注意点
目次

バイクのユーザー車検に初めて落ちた原因と確認事項

検査ラインの電光掲示板に「×」が出た瞬間、頭が真っ白になってしまう気持ちは痛いほどよく分かります。後ろに並んでいる人の視線が気になり、パニックになってしまうこともあるでしょう。

しかし、まずは深呼吸をして、なぜ不合格になってしまったのか、その原因を冷静に分析することから始めましょう。ここでは、多くのライダーが直面する不合格の要因と、知っておくべき基本的な車検の仕組みについて、私の経験を交えながら詳細に解説していきます。

400ccのバイクの車検は何年に一度?

ユーザー車検で不合格になってしまった今、まず冷静に確認しなければならないのが、あなたのバイクの「車検満了日」と、日本の法律で定められた「検査サイクル」の基本ルールです。

ここを曖昧にしたまま「とりあえず直してまた行けばいいや」と安易に考えていると、気づかないうちに法的なデッドラインを超えてしまい、取り返しのつかない事態(無車検運行)を招くリスクがあります。

まず、排気量250ccを超える自動二輪車(小型二輪自動車)の車検期間について整理しましょう。これは400ccの中型バイクに限らず、リッタークラスの大型バイクや、500cc、750ccといった排気量でも全て共通のルールが適用されます。

  • 新車登録からの初回車検: 有効期間は3年間です。
  • 2回目以降の継続車検: 有効期間は2年に一度となります。
  • 中古車を購入した場合: 車検が残っていればその残存期間まで。車検切れ(予備検なし)で購入し、新たに車検を通した場合は2年間となります。

引用:国土交通省『自動車検査証の有効期間(車検の有効期間について)

多くのライダーが「バイクの車検は2年ごと」と認識しているのは、継続検査が2年サイクルだからです。しかし、ここで最も重要なのは「何年に一度か」という知識よりも、「今の自分のバイクの車検がいつ切れるのか」を正確に把握することです。

「1ヶ月前ルール」と不合格時のリスク管理

通常、継続検査(車検)は、車検証に記載されている有効期間満了日の1ヶ月前から受けることができます。この「1ヶ月」という期間は、万が一のトラブルに備えるための重要なバッファ(予備期間)です。

引用:独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)
継続検査(受検時期のルールについて)

もしあなたが満了日の1ヶ月前にユーザー車検を受けに行き、そこで不合格になったとしても、残りの期間が約30日あります。その間に部品を注文したり、ショップに修理を依頼したりする余裕が十分にあります。

しかし、検索でこの記事に辿り着いた方の中には、「車検満了日ギリギリ」あるいは「満了日当日」に受検して不合格になってしまった方もいるのではないでしょうか。

満了日直前での不合格は、精神的なプレッシャーが計り知れません。「今日中に通さないと明日から乗れなくなる」という焦りが、検査ラインでの操作ミスを誘発する悪循環を生むこともあります。

限定自動車検査証と「有効期間」の決定的違い

ここで、多くの初心者が陥りやすい致命的な誤解について解説します。不合格となり、その日のうちに合格できなかった場合、窓口申請することで「限定自動車検査証」が交付されます。これがあれば、最大15日間は公道を走行することが認められます。

引用:独立行政法人自動車技術総合機構(NALTEC)『再検査(不合格時の再入場回数制限・限定自動車検査証について)

しかし、ここで注意が必要です。この15日間は、「元の車検満了日が延長された」わけではありません。

【超重要】限定自動車検査証の効力

限定自動車検査証で許可されるのは、あくまで「整備工場や検査場へ移動するための運行」のみです。ツーリングや通勤・通学といった日常的な使用は本来認められていません。

さらに恐ろしいのが、以下のシチュエーションです。

  1. 車検満了日が「今日」である。
  2. ユーザー車検に落ちて、限定自動車検査証(有効期間15日)をもらった。
  3. 明日以降、元の車検満了日は過ぎているが、限定検査証があるから走れる。
  4. しかし、もし15日以内に合格できず、限定検査証の期限も切れてしまったら?

この場合、あなたのバイクは完全に「車検切れ(無車検車)」となります。こうなると、仮ナンバー(臨時運行許可番号標)を区役所で借りてこない限り、公道を1メートルたりとも走らせることはできなくなります。自走で検査場に行くことすらできません。

ですから、今回初めてユーザー車検に落ちてしまったあなたは、直ちに車検証(または車検標章)を確認し、「本来の満了日」「限定検査証の期限」の2つの日付をカレンダーに書き込んでください。

そして、限定検査証をもらったからといって安心せず、可能な限り速やかに、できれば数日以内に再検査を受ける計画を立てることが、自身と愛車を守るための絶対条件です。

排気量250cc以下のバイク(車検のない軽二輪など)をお持ちの方も注意が必要です。車検制度はありませんが、自賠責保険の更新は必須です。

車検のような通知が来ないため、気づいたら保険が切れていたというケースが後を絶ちません。セカンドバイクをお持ちの方は、そちらのステッカーも今すぐ確認しましょう。

難しいかゆるいか?デメリットは?

インターネット上の掲示板やSNSを見ると、「ユーザー車検なんて楽勝だ」「いや、最近は厳しくて難しい」といった相反する意見が飛び交っており、初心者はどちらを信じれば良いのか迷ってしまいますよね。

私自身の経験から結論を申し上げますと、「準備不足の初心者にとっては非常に難しいが、検査の仕組みとポイントさえ理解すれば決してハードルは高くない」というのが正直なところです。

検査官は決して意地悪で不合格にしているわけではありません。彼らは国土交通省が定める「道路運送車両の保安基準」という厳格な法律に基づいて、淡々と判定を行っているに過ぎません。これを「ゆるい」と感じるか「難しい」と感じるかは、受検者の準備レベルに依存します。

例えば、事前にテスター屋で完璧に調整し、必要書類も揃えている人にとっては「たった15分で終わる簡単な作業」ですが、何も整備せず「運が良ければ通るだろう」という感覚で挑んだ人にとっては「重箱の隅をつつくような厳しい検査」に映るでしょう。

ユーザー車検を選択することの最大のデメリットについても触れておかなければなりません。それは、今回のように不合格になった際のリスクとリカバリーコストが全て自己責任であるという点です。バイクショップに車検を依頼していれば、整備士が事前に不具合を見つけ、検査ラインを通す責任まで負ってくれます。

しかし、ユーザー車検では、不合格になった瞬間に「なぜ落ちたのか」「どう直せばいいのか」「工具はあるか」「部品はどう手配するか」といった判断を、全て自分一人で行わなければなりません。

また、検査場は平日しか開いていないため、不合格になって後日再検査となれば                                              、再び平日に休みを取る必要があります。何度も落ちると有給休暇を消化してしまい、結果的に「ショップに頼んだ方が安上がりだった」という事態にもなりかねません。これが「時間的コスト」という見えないデメリットです。

特に注意すべき近年の傾向

最近は特にヘッドライトの検査基準が厳格化しています。以前はハイビームでの計測で救済措置が取られることがありましたが、地域によってはロービーム計測への完全移行が進んでおり、「昔はこれで通ったのに」という経験則が通用しなくなっています。検査基準は常にアップデートされていることを忘れてはいけません。

ユーザー車検で落ちやすい項目

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!ユーザー車検で落ちやすいヘッドライトの光軸、マフラーの音量・固定、シフトパターンなどの検査項目
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初めてのユーザー車検で不合格になる原因は多岐にわたりますが、統計的に見ても、また私の周囲のライダーたちの事例を見ても、圧倒的に多いのがヘッドライト(光軸・光量)の問題です。これは見た目には明るく前を照らしているように見えても、検査機器(ヘッドライトテスタ)は非常にシビアな数値を求めてくるためです。

具体的には、10メートル先での光の中心点のズレ(光軸)や、明るさ(光量)が基準値を満たしていないケースです。特に注意が必要なのが、近年流行している社外品のLEDバルブへの交換です。

Amazonなどで安価に売られているLEDバルブは、発光点が純正のハロゲンバルブと微妙に異なっていることが多く、リフレクター(反射板)との相性が悪いために光が散らばってしまい、テスターが焦点を結べずに「測定不能(×)」となる事例が多発しています。

次に多いのが、車両の不具合ではなく、検査ラインでの操作ミス(ヒューマンエラー)です。検査ラインは独特の緊張感があり、電光掲示板の指示に従って操作を行う必要がありますが、慣れていないと焦ってしまいます。

例えば、ブレーキテストで「フットスイッチを踏む」という指示が出る前にブレーキを握ってしまったり、逆にタイミングが遅れたりして「×判定」を受けることがよくあります。また、スピードメーター検査で40km/hをキープするのに集中しすぎて、足元のスイッチを踏み外すといったミスも散見されます。

さらに、外観検査も見落としがちです。ウインカーやブレーキランプの球切れはもちろんですが、ハンドルの幅や高さが車検証の記載と異なっている(構造変更が必要なレベル)、ロックナットが緩んでいる、ホーンの音が小さい、リフレクター(反射板)が付いていない(フェンダーレス化している車両に多い)なども不合格の定番理由です。

スクロールできます
検査項目主な不合格理由対策のポイント
ヘッドライト光軸のズレ、光量不足
色が青すぎる
テスター屋での事前調整が必須。
不安なら純正ハロゲンに戻す。
ブレーキ操作タイミングのミス
引きずり
検査官の指示をよく見る。
落ち着いて操作する。
スピードメータータイヤ径変更による誤差
操作ミス
40km/hピッタリで
スイッチを踏む練習をしておく。
外観検査球切れ、寸法違い
リフレクター欠損
出発前の日常点検で防げる。
メジャーで寸法を測っておく。

不合格になったら、まずは「車両の整備不良」なのか、それとも自分の「操作ミス」なのかを検査官に確認し、明確に区別することがリカバリーの第一歩です。操作ミスであれば、再入場して落ち着いてやれば合格できます。

通らないマフラーやシフトパターンの確認

愛車を自分好みにカスタムしているライダーにとって、マフラーの音量と排ガス検査はまさに鬼門と言えるでしょう。特にマフラーに関しては、製造された年式によって適用される騒音規制値が細かく異なり、非常に複雑です。例えば、2001年(平成13年)騒音規制以降の車両では、近接排気騒音が94dB以下(一部車種を除く)と厳しく設定されています。

「音が大きいならバッフル(消音材)を入れれば大丈夫だろう」と安易に考えるのは非常に危険です。比較的新しい年式のバイク(平成22年4月1日以降の生産車など)においては、バッフルが「溶接やリベット留め等により容易に取り外せない構造」であることが法的に求められています。

つまり、ボルト一本で簡単に脱着できるようなバッフルを装着して検査場に行っても、「これは認められません」と門前払いされる可能性が高いのです。この場合、その場で溶接機を取り出すわけにもいきませんので、純正マフラーに戻して出直すしかありません。

また、意外と多くのライダーが見落としがちなのがシフトパターンの表示義務です。バックステップなどに交換している場合、純正のシフトペダル付近にあった変速パターンの刻印が無くなってしまっていることがあります。保安基準では、運転席から見える位置に「1-N-2-3-4-5」といった変速パターンが表示されていなければならないと定められています。

これが表示されていなかったり、あるいはマジックの手書きで汚く書かれていて判読不明瞭だったりすると、それだけで不合格になります。

手書きでも丁寧に書かれていれば通ることもありますが、検査官の心証を良くするためにも、バイク用品店で数百円で売られている「シフトパターンステッカー」を購入し、シフトペダルの近くの見やすい位置に綺麗に貼り付けておくことを強くおすすめします。これは最も低コストで確実に不合格を防げるポイントの一つです。

その他にも、ウインカーを極端に小型のものに交換している場合、照明部の面積(7平方センチメートル以上など)や取り付け位置が基準を満たしていないと指摘されることがあります。カスタムはバイクの楽しみの一つですが、車検という関門を突破するためには、保安基準適合品であるかどうか、改めてチェックする必要があります。

記録簿はいらないという情報の誤解

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!点検整備記録簿なし(後整備)で車検を通すことの売却査定への影響と安全管理上のデメリット
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ネット上の一部では「ユーザー車検では点検整備記録簿はいらない」「持って行かなくても合格できた」という噂がまことしやかに囁かれていますが、これは大きな誤解を含んでおり、鵜呑みにするのは危険です。まず法的な建前として、道路運送車両法において、車検(継続検査)を受ける際には定期点検整備記録簿の提示が求められています。

では、なぜ「いらない」という噂が広まっているのでしょうか。それは、車検制度において「前検査・後整備」という運用が認められているからです。

窓口での受付時に「点検整備記録簿はありますか?」と聞かれた際、「整備は検査の後で行います(後整備)」と申告すれば、記録簿を持っていなくても検査ラインに入場させてもらえます。検査場側としては、検査の合否判定を行う場所であり、整備の実施時期についてはユーザーの誓約を信じるというスタンスだからです。

しかし、これには明確なデメリットがあります。後整備で合格した場合、新しい車検証の備考欄に「点検整備記録簿記載なし」という一文が記載されてしまいます。

これは将来バイクを売却する際に、「このオーナーはちゃんと整備していなかったのかもしれない」と査定員に判断され、買取価格に悪影響を及ぼす可能性があります。また、次回の車検時に厳しくチェックされる原因になることも考えられます。

何より、点検整備記録簿は単なる提出書類ではなく、「ここを点検しました」という自分自身の安全確認のためのチェックリストです。今回初めて不合格になってしまった要因も、もしかしたら事前に記録簿の項目に沿ってしっかりと点検していれば防げたトラブルだったかもしれません。

チェーンの張り、ブレーキパッドの残量、タイヤの溝の深さなど、記録簿にはバイクを安全に走らせるための必須項目が網羅されています。

次回からは、ぜひ事前に自分で(あるいは自信がない項目はプロに見てもらって)点検を行い、しっかりと記録簿を作成して持参することをおすすめします。検査官に記録簿を提示すれば、「このユーザーはしっかり管理しているな」という信頼感にも繋がり、検査がスムーズに進むこともあります。

バイクのユーザー車検に初めて落ちた時の対処手順

さて、ここからは実際に不合格になってしまった後の、具体的な行動プランについてお話しします。落ち込んでいる暇はありません。検査場の受付時間は刻一刻と過ぎていきますので、効率的に動いて合格を勝ち取りに行きましょう。

当日の予約時間と検査の順序は?

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!ユーザー車検不合格時の原因確認から当日再検査または後日再検査への判断フロー図
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不合格になった後、もしその日のうちに再検査を受けるのであれば、改めてインターネット予約システムで新たな予約を取る必要はありません。最初に取った予約枠の効力が生きていますので、そのまま整備や調整を行ってから再度検査ラインに並び直すことができます。

ただし、検査場には「ラウンド」と呼ばれる受付時間の区分(第1ラウンド〜第4ラウンドなど)があります。

もしあなたが午前の第2ラウンドで予約していて不合格になり、修理に時間がかかって午後の第3ラウンドの時間帯に再入場することになった場合、窓口での手続き(検査票への再入場スタンプなど)が必要になることがあります。基本的には検査官や窓口の職員に「再検査です」と伝えれば案内してくれます。

具体的なリカバリーの順序としては、以下のフローが最も効率的です。

  1. 不合格箇所の詳細確認:
    検査ライン出口にある総合判定ボックス(またはコース長室)へ行き、検査官から「具体的にどの項目が、どの程度基準から外れていたか」を聞き出します。例えばヘッドライトなら「光量が足りないのか、光軸が右にズレているのか、上にズレているのか」といった数値的な情報を必ずメモしてください。
  2. 修正・調整:
    不合格箇所を修正します。簡単な操作ミスなら深呼吸するだけでOKですが、光軸などの調整が必要な場合は、迷わず検査場近隣のテスター屋へ向かいます。
  3. 再入場(限定検査):
    準備ができたら再び検査ラインの列に並びます。自分の番が来たら、検査官に「再検査です」とはっきり伝えましょう。そうすれば、既に合格印をもらっている項目(例えばスピードメーターやブレーキなど)は検査を省略(スルー)でき、不合格だった項目だけをピンポイントで検査してもらえます。

出典:独立行政法人自動車技術総合機構『再入場

再検査は何回受けられますか?

ここは非常に重要なポイントであり、多くの初心者がパニックになる分岐点でもあります。国土交通省の規定により、一度の検査手数料(1,700円〜1,800円程度)の支払いで、検査ラインに入場して審査を受けることができる回数は「1日3回まで」と厳格に制限されています。

出典:国土交通省『自動車検査関係

この「3回」というカウントには、最初の1回目も含まれます。つまり、最初の検査で落ちたら、無料で再トライできるチャンスは「あと2回」しか残されていないということです。

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!ユーザー車検の当日再検査は初回を含めて3回までというルールと無策な挑戦への警告
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もし2回目の再検査(通算3回目の入場)でも不合格になってしまうと、その日の検査は「終了」となり、もうその申請書類でラインに入ることはできません。

多くの初心者がやってしまう失敗が、1回目で落ちて、自分で適当にいじって2回目に入り、また落ちて、焦って何も対策せずに「運頼み」で3回目に入ってしまうパターンです。これをやると、3回目も落ちて万事休すとなります。

警告

無策のまま3回目に突入するのはあまりにもギャンブルすぎます。もし2回目も不合格だった場合は、無理をして3回目を受けるのではなく、一旦冷静になって撤退し、後述する「限定検査」の手続きに切り替えることを強く推奨します。その方が、結果的に費用も時間も節約できる場合が多いのです。

検査に落ちたら費用はいくらかかる

「車検に落ちた!追加料金はいくら取られるんだろう?」と心配になるかと思いますが、前述の通り、当日の再検査(1日3回までの入場範囲内)であれば、検査場に支払う追加の手数料は一切かかりません。最初の手数料だけでリトライが可能です。しかし、これはあくまで「国に支払う検査手数料」の話です。

実際には、自分での調整が難しい項目で落ちた場合、プロの手を借りるための費用が発生します。特にヘッドライトの光軸調整やサイドスリップ検査などは、目視や勘での調整はほぼ不可能です。そこで頼りになるのが、車検場の周辺に店を構えている「予備検査場(通称:テスター屋)」です。

テスター屋の利用料金は地域や店舗によって異なりますが、ヘッドライト調整のみであれば1,000円〜3,000円程度が相場です。全項目のフルコースチェックなら3,000円〜5,000円程度でしょう。

「せっかくユーザー車検で安く済ませようと思ったのに」と渋る気持ちは分かりますが、この数千円をケチって不合格を繰り返すより、プロの機器で確実に調整してもらい、一発で合格する方が遥かにコストパフォーマンスが良いです。

私は光軸で落ちた際は、迷わずテスター屋に駆け込んでいます。彼らは「その検査場の測定器のクセ」まで熟知していることが多いので、非常に頼りになります。

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!テスター屋(予備検査場)での光軸調整にかかる費用と確実な合格のための投資効果
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もし、当日の合格を諦めて後日改めて最初から受け直すことになった場合は、再び検査手数料(1,700円〜1,800円)が必要になります。そうならないためにも、テスター屋への投資は「必要経費」と割り切るべきです。

不合格で後日になる場合や返金について

残念ながら3回のチャンスを使い切ってしまった、あるいは部品交換が必要な重整備(オイル漏れやタイヤ交換など)が発生し、当日中のリカバリーが物理的に不可能な場合はどうなるのでしょうか?まず、一度支払った検査手数料や重量税、自賠責保険料の現金での返金は原則としてありません

しかし、絶望する必要はありません。窓口で「限定自動車検査証」の交付申請を行ってください。これを発行してもらうことで、今回「合格」した項目の効力を保全することができます。そして、重量税の納付書や自賠責保険証書はそのまま返却されますので、次回の検査時に再利用が可能です(※自賠責保険は有効期間内に限る)。

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!限定自動車検査証により15日間の公道走行が可能になり再検査手数料が安くなる仕組み
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限定自動車検査証を持っていれば、発行日から15日以内に再度検査を受ける際、不合格だった項目だけを受検する「限定検査」として扱われます。この場合、検査手数料は通常の継続検査よりも安く設定されており、二輪車の場合は1,300円〜1,400円程度で済みます。

つまり、当日諦めて帰宅したとしても、すべてのお金が無駄になるわけではないのです。「今日はこれ以上やっても無理だ」と判断したら、潔く限定検査証をもらって出直すのも、賢いライダーの戦略です。

限定自動車検査証の有効期間「15日」には、交付日(当日)も含まれる場合があります。また、期間の最終日が土日祝日の場合でも延長されないことが多いので、スケジュール管理には十分注意してください。

必要書類の書き方と書類ダウンロード

後日、限定検査を受けるためには、通常の継続検査とは異なる申請書類が必要になります。当日、限定自動車検査証を受け取る際に窓口で説明があるかと思いますが、主な必要書類は以下の通りです。

  • 限定自動車検査証:
    前回不合格時に交付された原本。
  • 審査依頼書(限定検査用):
    専用のOCRシート(マークシート)。
  • 検査手数料の印紙・証紙:
    限定検査用の金額(1,300円〜1,400円程度)を貼付。
  • 車検証・自賠責・納税証明書:
    通常のセットも念のため持参。

これらの申請書(OCRシート)は、国土交通省のウェブサイトからPDFをダウンロードして印刷することも可能になっています。

出典:国土交通省『OCR申請書各種様式について

しかし、自宅のプリンターのインクの濃さや紙質によっては、検査場の読み取り機が反応せず、結局現地で書き直しになるトラブルも少なくありません。そのため、私は現地の窓口で数十円で購入するか、配布を受けることを強くおすすめしています。

書類の書き方については、通常の継続検査と似ていますが、「申請の種別」欄で「限定検査」を選択するなど、若干の違いがあります。検査場の記載台には大抵の場合、見本が掲示されていますし、窓口の職員さんに「限定検査を受けに来ました」と伝えれば、親切に書き方を教えてくれます。書類作成で悩むよりも、車両の整備に集中しましょう。

バイクのユーザー車検に初めて落ちたあなたへ

初めてのユーザー車検で「不合格」を突きつけられると、まるで自分自身が否定されたような、あるいは「整備不良の危険なバイクに乗っていたのか」と落ち込むような気分になるかもしれません。検査官の事務的な対応に、心が折れそうになることもあるでしょう。でも、決してそんなふうに思う必要はありません。

あなたは今、愛車の状態をより深く、客観的に知るための貴重な機会を得たのです。不合格になったということは、逆に言えば、その不具合を修正することで、あなたのバイクはこれまで以上に安全で調子の良い状態に生まれ変わるということです。

テスター屋で光軸を調整してもらった後の夜間走行で「こんなに明るかったのか!」と驚いたり、ブレーキのタッチが見違えるようになったり。この不合格からのリカバリープロセスを通して、バイクへの愛着とメンテナンス知識は確実に深まります。

今回の経験は、今後の長いバイクライフにおいて、トラブルを未然に防ぐための大きな財産になります。一度や二度の失敗は、ライダーとしての成長痛のようなものです。

バイクのユーザー車検に初めて落ちた!不合格からのリカバリー経験がライダーとしての知識と愛車への愛着を深めるという応援メッセージ
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諦めずに再検査に挑み、新しい車検証を手にした時の達成感と安堵感を、ぜひ味わってください。この記事が、あなたのユーザー車検合格への確かな道標となることを願っています。応援しています!

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運用者プロフィール

バイク歴10年。 愛車はハーレー。「カタログよりもリアルな情報を」をモットーに、維持費の実態から故障トラブル、カスタムの楽しみ方まで、オーナーの実体験に基づいたノウハウを発信しています。 初心者の方が後悔しないバイクライフを送れるよう、全力でサポートします!

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