こんにちは。高級モトクラブ、運営者の「A」です。
ハーレーダビッドソンの購入を検討する際、どうしても気になってしまうのが「人気のない車種」に関する噂や評判ですよね。
「安いからといって飛びつくと後悔するのではないか」「なぜそのモデルは不人気というレッテルを貼られているのか」、そんな不安から検索画面とにらめっこしている方も多いのではないでしょうか。
私自身、初めてハーレーを購入する際は、雑誌のランキングやネットの掲示板を隅から隅まで読み漁り、失敗しないように必死だった経験があります。
しかし、長くこの世界に身を置いて気付いたのは、市場での人気とバイクとしての完成度は必ずしも比例しません。リセールバリューや周囲の評価を気にするあまり、本当に自分に合った一台を見逃してしまうのは非常にもったいないことです。
この記事では、不人気とされるモデルが抱える事情や構造的な要因を紐解きながら、あえてそれを選ぶことの賢明さや、壊れやすいといった誤解についても触れていきます。
人気の裏側に隠された「真実」を知ることで、あなたのバイク選びはもっと自由で楽しいものになるはずです。
- 市場で「不人気」とされるハーレーが生まれる本当の理由と背景
- 価格が安いモデルにおける「乗り出し価格」と「所有満足度」の関係
- 人とは違う個性を発揮できる隠れた名車や狙い目の年式
- 不人気車を購入する際に知っておくべきリスクと経済的なメリット
誤解されるハーレーの人気のない車種の真実
ハーレーダビッドソンの世界において、「人気がない」と判断される基準は他のメーカーと比較して少し特殊な傾向にあります。単に性能が悪いから売れないのではなく、「ハーレーらしくない」というファンの主観的な感情や、伝統への固執が価格や人気に大きく影響している現状があるのです。
ここでは、なぜ特定のモデルが敬遠されてしまうのか、その深層心理と実態について、私の経験も交えながら詳しく解説していきます。
買ってはいけないハーレーの噂と真相

インターネット上の掲示板やSNS、あるいは古くからのベテランライダーとの会話の中で、「このハーレーだけは買ってはいけない」とまことしやかに囁かれるモデルが存在します。
その代表格として頻繁に名前が挙がるのが、かつて販売されていた水冷エンジンのV-ROD(VRSC)ファミリーや、インドで生産されていたStreet 750(XG750)です。
しかし、冷静に考えてみてください。これらは世界的な大企業であるハーレーダビッドソンが開発し、世に送り出した製品です。本当に乗るに堪えないような「悪いバイク」なのでしょうか?
なぜ「買ってはいけない」というレッテルを貼られるのか?
その背景には、性能の問題ではなく「期待値とのミスマッチ」が存在します。
- V-RODの場合:
ポルシェと共同開発した水冷エンジン「Revolution」を搭載し、高回転まで鋭く吹け上がる特性を持っていました。
しかし、これは従来のファンが求める「低回転でのドコドコ感」や「鼓動」とは対極に位置するものでした。「こんなのハーレーじゃない」という感情的な反発、いわゆるスティグマ(烙印)が不人気の主因です。 - Street 750の場合:
ハーレーのエントリー障壁を下げるために開発されましたが、コストダウンの影響が色濃く出ました。
特に配線処理の甘さや溶接の仕上げ、安っぽいボルト類などが、日本のユーザーが期待する「高級車としてのハーレー」の基準を満たさなかったのです。また、教習車として採用されたことで「練習用バイク」というイメージが定着してしまったのも不運でした。
真相として、これらは「従来のハーレーファンの理想像」とは異なっていただけであり、工業製品としての性能が著しく劣っていたわけではありません。
むしろ、V-RODのドラッグレーサーのような圧倒的な加速力や、Street 750の水冷エンジンによる渋滞時の熱耐性、軽量な取り回しの良さは、目的が合致するライダーにとっては唯一無二の魅力となります。
「買ってはいけない」という言葉を鵜呑みにせず、「なぜそう言われているのか」を分析すれば、それが自分にとってデメリットになるかどうかが判断できるはずです。
購入後に後悔したくない人は、「買ってはいけないハーレーの特徴」を詳しくまとめたガイドも合わせて読むのがおすすめです。
ハーレーで1番安いのは何か

これからハーレーデビューを考えている方にとって、予算の問題は避けて通れません。中古車市場において「1番安いハーレー」を探すと、現状では必然的にStreet 750 (XG750)に行き着くことが多いでしょう。
大手中古車サイトを覗いてみると、支払総額で70万円〜90万円台という、ハーレーとしては破格のプライスで取引されている個体が多数見受けられます。国産の大型バイクと比較しても割安感があり、非常に魅力的に映りますよね。
安さの理由と経済的メリット
この安さは、前述した通り「不人気」による需要不足が最大の要因です。ディーラーや販売店としても、在庫を長く抱えるよりは価格を下げて回転させたいという心理が働きます。
しかし、これを逆手に取れば、「高年式で走行距離が少ない個体が100万円以下で手に入る」という、買い手市場ならではの最強のメリット享受できることになります。
その他の安価な選択肢と注意点
Street 750以外にも、スポーツスター XL883の一部の年式や、ハーレー製エンジンを積んだビューエル(Buell)なども比較的安価です。
しかし、20年以上前のXL883などは、車両価格が安くてもゴム類の劣化やガスケット抜けなどで、購入直後に高額なメンテナンス費用が発生するリスクがあります。
対してStreet 750は年式が新しいため、経年劣化によるトラブルのリスクは低めです。
安いからといって飛びつくのではなく、「なぜ安いのか」を理解し、その理由(例えば質感の低さや、パーツの少なさなど)が自分にとって許容範囲かどうかを見極めることが重要です。安物買いの銭失いにならないよう、実車確認は必ず行いましょう。
狙い目の不人気年式とその特徴

ハーレー選びにおいて、「モデル」と同じくらい重要なのが「年式」です。同じ車種名でも、年式によってエンジンの構造やフレーム、乗り味が全く異なるのがハーレーの面白いところであり、難しいところでもあります。
特に狙い目となるのは、技術的な過渡期にあるモデルや、好みが分かれる仕様変更が行われた直後の年式です。市場価格は「人気」に左右されますが、人気がない年式=性能が低い年式とは限りません。
例えば、スポーツスターにおける2004年〜2006年式あたりは非常に興味深い存在です。エンジンがフレームにラバーマウント(ゴム介在)され振動が激減した最初の世代ですが、燃料供給はまだキャブレターでした。
この「ラバーマウント×キャブレター」の組み合わせはわずか3年間しか製造されておらず、一部のコアなファンには人気ですが、全体としては「リジットマウント時代より重くなった」と敬遠され、相場が落ち着いているケースもあります。
| モデル/年式 | 市場の評価(不人気の理由) | 実はここが狙い目・評価ポイント |
|---|---|---|
| Softail Standard (FXST) ミルウォーキーエイト世代 | シンプルすぎて地味。ブレイクアウトのような 派手なクロームや太いタイヤがないため、 所有欲を満たしにくいとされる。 | エンジンは最新のM8を搭載しており信頼性は抜群。 人気モデルより50万円〜100万円近く安く買えることも。 ベース車両として優秀で、自分好みに染めやすい。 |
| XR1200 / XR1200X 2009-2011年頃 | 積載性が皆無でツーリングに向かない。 タンクカバーなどがプラスチック製で 質感が低いと言われる。 | 走りは本物。倒立フォークや専用チューニングエンジンを搭載し、 峠道ではスポーツスター最速。 スポーツ走行を楽しみたい人には最高の相棒となる。 |
| Dyna Super Glide (FXD) ツインカム世代 | ローライダー(FXDL)の陰に隠れて目立たない。 「ただのハーレー」と見なされがち。 | ダイナ特有の「ラバーマウントの振動」と 軽快な走りはそのままに、相場が圧倒的に安い。 「飾り気のない鉄馬」としての渋さがあり、玄人好みの選択。 |
このように、一般的に「不人気」とされる年式やモデルは、裏を返せば「コストパフォーマンスが高く、特定の用途においては非常に優秀」という強力な武器を持っています。他人の評価軸ではなく、自分の用途にマッチするかどうかで判断してみてください。
一番売れているハーレーはどのモデルか

不人気車の特徴をより深く、立体的に理解するためには、対極にある「今、一番売れているハーレー」を知っておくことも大切です。光を知ることで影が理解できるように、人気車の傾向を知れば、なぜ他のモデルが不人気なのかが見えてきます。
現在、日本市場において圧倒的な人気を誇っているのは、ソフテイルファミリーのブレイクアウト (Breakout, FXBR/FXBRS)です。
リアタイヤの幅は240mmという驚異的な太さを誇り、低く長く構えたドラッグレーサースタイル、そしてエンジン周りの美しいクロームメッキの輝き。
これぞ現代のハーレーというアイコン的な存在であり、新車・中古車問わず、常に品薄状態が続くほどの人気ぶりです。リセールバリューも非常に高い水準を維持しています。
また、ツーリングモデルでは、巨大なカウルを持つロードグライド (Road Glide)やストリートグライド (Street Glide)も、根強い人気があります。これらは「いつかはハーレー」という夢を具現化したような威風堂々としたスタイルが支持されています。
人気車と不人気車の決定的な差
これらの人気モデルは、指名買いが多く需要が絶えないため、中古市場でも価格が落ちません。
対して不人気車は、こうした「分かりやすいアイコン性」を持った強力なライバルの陰に隠れてしまっているだけであり、バイクとしての基本性能(走る・曲がる・止まる)に大きな差があるわけではないのです。
最新の人気ランキング2024-2025

2024年から2025年にかけてのハーレー市場のトレンドを分析すると、明確な「二極化」が進んでいることが見て取れます。市場を牽引し続けているのは、やはり大排気量の「ミルウォーキーエイト(M8)エンジンのビッグツイン」搭載モデルです。
特に「ローライダーST (FXLRST)」や「ブレイクアウト (FXBR)」といった、パワーとスタイルを両立させたクラブスタイルやドラッグレーサースタイルの人気は凄まじく、「ハーレーに乗るなら、最大排気量の空冷(油冷)エンジンで地面を蹴り飛ばす感覚を味わいたい」という需要は、依然として根強いものがあります。
その一方で、市場には大きな変革の波も押し寄せています。長年愛された空冷スポーツスターの生産終了に伴い登場した、水冷化された新世代スポーツスター(Sportster S, Nightster)です。
これらは120馬力を超えるようなハイパフォーマンスと、ライディングモード選択などの最新電子制御を搭載しており、スペック上は過去のハーレーを凌駕しています。しかし、市場への浸透という意味では、まだ道半ばといった印象を受けます。
在庫状況から見る不人気の兆候
実際に正規ディーラーに足を運んだり、Web上の在庫情報を定点観測したりすると、非常に興味深い事実が見えてきます。人気ランキング上位の車種と、そうでない車種で「納期」に極端な差が生じているのです。
- 人気モデル(ブレイクアウト等):
入荷待ちが常態化しており、色によっては半年待ちや抽選販売となるケースも。 - 新世代モデル(Sportster S等):
即納可能な在庫車が店舗に並んでおり、場合によっては購入支援キャンペーン(実質的な値引きやパーツプレゼント)の対象になっている。
この現象は、古くからのファンが求める「鉄馬・空冷・鼓動・三拍子」といったノスタルジックなハーレー像と、メーカーが提示する「ハイテク・水冷・高回転・快適性」という新しい価値観との間に、まだ埋められないギャップがあることを如実に示唆しています。
(出典:ハーレーダビッドソン ジャパン公式『モーターサイクルラインナップ』)
しかし、見方を変えれば、これは私たちにとってまたとないチャンスです。この「ランキング圏外」や「在庫過多」にあるモデルこそが、「最新鋭のスペックを持つハーレーを、待たずに、しかも好条件で購入できる」という、お買い得な不人気車候補となるからです。
流行のランキングを追うのももちろん良いですが、数字だけに惑わされず、「自分がバイクに何を求めているか(鼓動感なのか、圧倒的な加速性能なのか)」を冷静に見極めることこそ、ハーレー選びの本当の醍醐味だと言えるでしょう。
最新の人気モデルを比較したい人は、「2024–2025人気車種ランキング完全ガイド」もあわせてチェックしてみてください。
ハーレーの人気のない車種の賢い選び方
ここまで、不人気車種の実態についてお話ししてきましたが、「じゃあ実際にどうやって選べばいいの?」という疑問が湧いてくるかと思います。
ここからは、購入後のライフスタイルや経済的な視点を含めた、失敗しないための戦略的な選び方を提案します。
定番の人気車種と不人気車の違い

定番の人気車種(例:XL1200X フォーティーエイト、FLHXS ストリートグライドなど)と不人気車の間には、デザイン以外にも決定的な違いが2つあります。それは「リセールバリュー(売却価格)」と「カスタムパーツの豊富さ」です。
人気車種は需要が高いため、数年乗って売却する際にも驚くほど高値がつきます。また、国内外のパーツメーカーがこぞって専用パーツを開発するため、カタログを見ているだけで日が暮れるほどカスタムの選択肢が豊富です。
一方、不人気車は売却時の査定額が低くなりやすく、専用パーツが見つかりにくい(あるいは生産終了している)というデメリットがあります。これは正直に伝えておかなければなりません。
しかし、購入価格が圧倒的に安いというメリットは、これらを補って余りあるものです。
例えば、人気車種より50万円安く購入できたとしましょう。その浮いた50万円があれば何ができるでしょうか?
- ワンオフ(特注)でマフラーやシートを作ってもらう。
- 高級なサスペンションを入れて、乗り心地を劇的に改善する。
- 将来のメンテナンス費用としてプールしておき、長く安心して乗る。
このように、トータルコストや自分だけの一台を作るという視点で見れば、不人気車は非常に賢い選択肢となり得るのです。
旧車人気ランキングの隠れた名車

「旧車」や「絶版車」のカテゴリーでも、人気には極端な偏りがあります。ショベルヘッドやエボリューションエンジンを搭載したモデルは、世界的なブームもあって軒並み価格が高騰しており、もはや投機対象のような扱いになっています。
しかし、その中でも少し目線を変えるだけで、面白いモデルに出会えます。特に注目したいのが、ツインカムエンジン時代のソフテイル・ロッカーC (FXCWC)です。
2008年頃に登場したこのモデルは、メーカー純正で「ガレージビルドのチョッパー」を再現しようとした意欲作でした。フェンダーとタイヤの隙間を極限までなくすための特殊なリア構造や、収納式のタンデムシートなど、ギミック満載でした。
しかし、登場時はその奇抜さが受け入れられず、短命に終わりました。
今の時代だからこそ輝く個性
生産終了から時間が経過した現在、ロッカーCのような「メーカーが本気で遊んだ純正カスタム」の希少性が再評価されつつあります。
中古市場では150万円前後で取引されていることもあり、自分でゼロからフレームを切った貼ったしてチョッパーを作る費用と手間を考えれば、実は非常に合理的で「完成された」選択肢なのです。
旧車ハーレーの注目モデルを深く知りたいあなたは、ランキングを整理した関連記事を読むと理解がぐっと深まります。
不人気車で楽しむ人気カスタム

「不人気車を買ってしまうと、専用のアフターパーツが少なくてカスタムを楽しめないのではないか?」
もしあなたがそう考えて購入を躊躇しているのなら、それは非常にもったいない誤解です。
長年多くのカスタムバイクを見てきた私から言わせていただくと、むしろ「素材が安い不人気車こそ、思い切ったフルカスタムのベース車両として極めて優秀」だと言い切れます。
人気車種は確かにパーツが豊富ですが、それは裏を返せば「カタログから選んで取り付けるだけの、誰かと被るカスタム」になりがちです。
対して不人気車は、車両価格を大幅に抑えられる分、浮いた予算をワンオフパーツの製作や塗装、海外パーツの輸入に回すことができ、結果として「世界に一台だけのマシン」を作り上げやすいのです。
Street 750 (XG750) が化ける「スクランブラー」スタイル
特に私が個人的に強く推したいのが、Street 750 (XG750)をベースにしたカスタムです。ノーマルの状態だと、確かにリア周りの処理や全体的なシルエットに「教習車っぽい」「少し野暮ったい」という印象を持つ方もいるかもしれません。
しかし、このモデルの真価はカスタムによって開花します。水冷エンジン「Revolution X」のコンパクトさと、軽量な車体構成は、舗装路だけでなく未舗装路も視野に入れた「スクランブラー」や、ダートトラックレースをイメージした「フラットトラッカー」スタイルと相性が抜群なのです。
- タイヤ:
オンロードタイヤから、ゴツゴツとしたブロックタイヤへ交換。これだけで足元の印象が劇的に変わります。 - マフラー:
純正の低い位置にあるマフラーから、アップタイプのハイパイプへ変更し、軽快感を演出。 - 外装:
野暮ったいリアフェンダーをショート化し、ヘッドライト周りにゼッケンプレート風のカウルを装着。
実際に、ドイツの著名なカスタムビルダーである「Rick’s Motorcycles」などが手掛けたStreet 750のオフロード仕様は、その完成度の高さで世界中のカスタムフリークを唸らせました。
元の車両価格が70〜80万円程度で入手できるため、そこに50万円〜100万円のカスタム費用を投じても、新車のビッグツインを買うより安く済みます。それでいて、見た目のインパクトは新車を遥かに凌駕します。
V-RODや不人気年式スポーツスターの可能性
Street 750以外にも、ポテンシャルを秘めたモデルは多数存在します。
例えば、日本では不人気とされるV-ROD (VRSC)ですが、ヨーロッパ(特にドイツや東欧)ではカスタムベースとして絶大な人気を誇っています。
極太のリアタイヤを履かせ、リアフェンダーを極限まで短くした「ユーロスタイル」に仕上げると、まるでSF映画に出てくるマシンのような迫力が生まれます。
また、不人気年式とされるラバーマウント初期(2004-2006)のスポーツスターも、あえてセパレートハンドルとバックステップを組んで「カフェレーサー」に仕上げることで、その重厚感が逆にクラシカルな武器になります。
ツーリング先やパーキングエリアで、「えっ、すごいかっこいいですね!これ何のバイクですか?」と聞かれたときに、「実はこれ、Street 750なんですよ」と答える瞬間の優越感。
これぞ、不人気車をベースに自分だけの色に染め上げたオーナーだけが味わえる、最高の「大人の遊び」ではないでしょうか。
女子に人気の車種とおすすめモデル

実は、「男性中心の保守的なハーレー市場で不人気」とされるモデルが、女性ライダーにとっては「最高の選択肢」になるという逆転現象が起きています。その筆頭が、やはりStreet 750や最新のSportster Sです。
これらが女性ライダーから熱い支持を受けている理由は、非常に合理的で明確です。
- 圧倒的な足つきの良さ:
シート高が非常に低く設計されており、小柄な方でも両足がべったりと地面につきます。信号待ちでの立ちごけ不安が解消されるのは、何にも代えがたい安心感です。 - 軽さと取り回し:
ビッグツインモデルのような300kgを超える絶望的な重さがなく、駐車場での出し入れが比較的楽に行えます。 - 水冷エンジンの扱いやすさ:
真夏の渋滞でも空冷エンジンのように股下が火傷しそうになるオーバーヒートの心配が少なく、メカノイズも静かで疲労感が少ないです。
「ハーレー乗りのおじさん達」からは「迫力がない」と敬遠される要素が、女性や初心者ライダーにとっては、安全に楽しく乗るための大きなメリットとなります。
他人の評価軸や「ハーレーはこうあるべき」という固定観念ではなく、自分の体格や体力に合ったバイクを選ぶことが、長くバイクライフを楽しむための最大の秘訣です。
一番かっこいい車種を買うならどれか

記事の締めくくりとして、多くのライダーが抱える「究極の問い」について、私なりの答えを提示させてください。結局のところ、数あるラインナップの中で「一番かっこいい車種」とは一体どれなのでしょうか。
雑誌の表紙を飾る最新モデルでしょうか? それとも、中古市場でプレミア価格がついているヴィンテージでしょうか?
私の考えは違います。「一番かっこいい車種」とは、あなたがガレージに停めた愛車を眺めながら、缶コーヒーを片手に『やっぱりこいつが世界で一番だ』と心から思える車です。これ以外の定義はあり得ません。
市場価値や他人の評価は「ノイズ」でしかない
ハーレーダビッドソンという趣味の世界では、どうしても「リセールバリュー」や「コミュニティでのヒエラルキー」といった雑音が耳に入ってきがちです。
「その年式は壊れるよ」「やっぱり空冷じゃないと」といった外野の声に、自分の感性が揺らがされてしまうこともあるでしょう。
しかし、バイクは誰のために乗るのでしょうか。次に買う人のため(リセール)でも、SNSで「いいね」をくれる誰かのためでもありません。汗水垂らして働いたお金で手に入れ、あなた自身が風を感じるために乗るのです。
感性に従う勇気を持つ
もしあなたが、映画『トロン』に出てくるような流線型の近未来的なフォルムや、ドラッグレースの興奮に魂を揺さぶられるなら、世間が「ハーレーらしくない」と言おうとも、迷わずV-RODを選ぶべきです。
そのロング&ローのシルエットは、他のどのモデルにも代えがたい美しさを持っています。
逆に、装飾を極限まで削ぎ落とした「鉄の塊感」や、無骨な道具としての機能美に惹かれるなら、あえて地味と言われるSoftail StandardやDyna Super Glideこそが、あなたにとってのベストバイです。その飾り気のなさこそが、乗り手の生き様を投影するキャンバスになります。
「不人気」という言葉の書き換え
今日から、「不人気」という言葉を頭の中で書き換えてみてください。
- 不人気 = 希少(レア)
- 不人気 = 群れない孤高の存在
- 不人気 = わかる人にしかわからない通な選択
大量生産された工業製品でありながら、信号待ちで隣に並んだバイクと全く同じ車種だと少し気まずい思いをする。ハーレーとはそんな不思議な乗り物です。
だからこそ、市場で少数派であることは、むしろ強烈なアイデンティティになり得ます。
「みんなが乗っていないからこそ、かっこいい」
そう胸を張って言えるなら、世間で言う不人気車は、あなたにとって最高の相棒になるはずです。
流行りのランキングや資産価値なんていう退屈な数字は横に置いて、自分の感性に嘘をつかず、直感で「愛せる」と思った一台を選んでください。その直感こそが、あなたにとっての正解なのですから。
どの車種が魅力的に映るのか悩んでいるなら、人気ランキングを解説した関連記事も読んでおくと視野が広がります。
まとめ:ハーレーの人気のない車種の価値
今回は「ハーレー 人気の ない 車種」について、その実態と魅力、そして選び方の戦略までを深く掘り下げてお話ししてきました。ここまで読んでいただいたあなたなら、もう「不人気」という言葉に惑わされることはないはずです。
市場での評価が低いということは、決してそのバイクの価値や性能が低いことを意味しません。むしろ、特定のニーズに特化しすぎた結果、大衆受けしなかった「尖ったモデル」であるケースが大半です。
不人気車を選ぶ戦略的メリットの再確認
- 経済的優位性:
高年式車や高級モデルを、相場より大幅に安く購入できるため、初期費用を抑えられる。 - 希少性:
大規模なミーティングやツーリングスポットに行っても、他のライダーと被ることが少なく、強烈な個性を主張できる。 - カスタムの自由度:
車両購入費を抑えた分、浮いた予算をカスタムやメンテナンスに回し、自分好みの一台に仕上げることができる。
「人気がない」というだけで選択肢から外すのではなく、その理由を深く知り、自分の価値観やライフスタイルと照らし合わせてみてください。
そこには、先入観を持っていた時には見えなかった、あなただけの「隠れた名車」が待っているかもしれません。
最終的な判断は、ぜひご自身の目と心で実車を確かめて、信頼できるショップや専門家にも相談しながら決めてくださいね。あなたのハーレーライフが、最高のものになることを応援しています。

