こんにちは。高級モトクラブ、運営者の「A」です。
「ハーレー マフラー 重低音 おすすめ」とWEB検索して、この記事にたどり着いたあなたは、きっと「腹に響く最高のサウンド」を求めているんでしょうね。
私もそうでした。「ドッドッドッ」という心臓に響く重低音を求めて、さまざまなマフラーを調べまくりましたが、車検対応やインジェクションチューニング(燃調)の必要性、ソフテイルやツーリングといった車種ごとの適合性など、情報が多すぎて結局どれを選べばいいか分からなくなってしまうんですよね。
特に、高価なマフラーに交換した後に「なんだか音が軽い」「低速トルクがスカスカになった」なんて失敗は、絶対に避けたいものです。さらに最近は2025年モデルのようにエンジンやフレームが大きく変わるモデルも出てきていますから、最新の情報も気になるところです。
この記事では、単なる製品の人気ランキングではなく、なぜそのマフラーが重低音を生むのかという物理的な仕組みから、ダイナやスポーツスターを含む主要ファミリー別の最適解まで、私が調べたことをすべてまとめてみました。これを読めば、あなたのハーレーに最も合う、後悔しない「重低音のマフラー」が見つかるはずです。
- マフラーが重低音を出す物理的な仕組みと原理がわかる
- Khrome Werksやコブラなど、人気メーカーの音質傾向が理解できる
- 車種(ソフテイル・ツーリング・ダイナ)に合わせた最適なマフラー選びが明確になる
- マフラー交換後に必須となるインジェクションチューニングの重要性がわかる
ハーレーのマフラーで重低音のおすすめの選び方と基礎
最高の重低音を手に入れるには、まず「なぜ音が深くなるのか」という仕組みを理解しておくのが一番の近道です。この物理的な法則を知っているだけで、マフラー選びの失敗はグッと減ります。
「ハーレー マフラー 重低音 おすすめ」で検索して出てくる製品が、なぜその形をしているのか、その理由を音響工学とメーカーの設計思想から紐解き、あなたにとってのベストな一本を探していきましょう。
仕組みを知り重低音にする方法

ハーレーダビッドソン特有の、あの腹の底まで響くような「重低音」。あれは決して偶然や魔法で生まれているわけではありません。ギターやドラムが形状や素材で音色が変わるのと同じように、マフラーもまた「排気音を演奏する楽器」としての物理的な法則に従って音を奏でています。
単に「音が大きい=重低音」と勘違いされがちですが、それは大きな間違いです。心地よい重低音とは、爆発音に含まれる耳障りな高周波(金属的なノイズや破裂音)をマフラー内でいかに「消し去り」、深みのある低周波成分だけを「増幅」して外に出すか、このフィルタリング技術の結晶なんですね。
私が徹底的にリサーチし、多くのマフラーを聞き比べた結果、重低音を決定づける物理的要素は、以下の3つのポイントに集約されることが分かりました。
1. 管径(パイプの太さ):音の広がりと深さ
音響工学において、空間の容積が大きくなればなるほど、共鳴する周波数は低くなる傾向があります。マフラーも同様で、パイプ径が太いほど、内部の容積が増え、低音域の共鳴が促進されます。
細いパイプでは排気の流速が速まり、音が引き締まる(高音寄りになる)のに対し、太いパイプでは排気がゆったりと膨張できるため、ドスの効いた深い音質が生まれやすくなります。
2. 肉厚(素材の厚み):ノイズの除去
ここが意外と見落とされがちなのですが、「素材の厚み」は重低音の質(クリアさ)に直結します。
薄い金属(空き缶など)を叩くと「カンカン」と軽い音がしますよね? マフラーの肉厚が薄いと、排気ガスの圧力でパイプ自体が細かく振動してしまい、安っぽい金属ノイズ(ビビリ音)が混ざってしまいます。
逆に、肉厚なスチール素材は質量があるため不要な振動が起きにくく、雑音のない純粋なエンジンの燃焼音だけを響かせることができるのです。
3. パイプ長(長さ):角を取るフィルタリング
音の成分のうち、高音(高周波)はエネルギーが減衰しやすく、低音(低周波)は遠くまで届く性質があります。
マフラーが長ければ長いほど、排気ガスが大気に放出されるまでの距離が稼げるため、その過程で刺々しい高音成分が吸収・減衰され、角の取れた「こもった」マイルドな重低音になります。逆にショート管が「バリバリ」とうるさいのは、高音が減衰されずにそのまま出てきているからなんです。
| 物理的要素 | 設定・状態 | 音響特性(音質への作用) | 性能特性(走りへの作用) |
|---|---|---|---|
| パイプ径 (太さ) | 太い | 重低音が増強される 低周波が共鳴しやすい「バスドラム」のような効果。 | 高回転重視 抜けが良くピークパワーは出るが、 低速トルクは細りやすい。 |
| – | 細い | 硬く引き締まった音 高音が残りやすく、歯切れの良いアタック音が強調される。 | 低速トルク重視 流速が保たれ、街乗りでのアクセルレスポンスが良い。 |
| 肉厚 (厚み) | 厚い | ノイズレスな重低音 パイプ自体の共振(ビビリ音)を物理的に抑え込む。 | 重量増 マフラー自体が重くなるため、軽量化には不利。 |
| パイプ長 (長さ) | 長い | 深みのあるこもり音 高周波をカットするフィルター効果が高い。 | マイルドで乗りやすい 排気脈動が整い、トルクの谷ができにくい。 |
この表からも分かる通り、私たちが求める「腹に響く最高の重低音」を実現するための物理的な正解ルートは、「肉厚なスチール素材で作られた、太めの口径を持ち、かつ十分な長さを確保したマフラー」を選ぶことです。
「チタンマフラー」は軽量で高性能ですが、素材が薄く硬いため音質は「乾いた高音(レーシー)」になりがちです。ハーレーらしい湿り気のある重厚感を求めるなら、重くても「クロームメッキされた肉厚なスチール製」を選ぶのが、失敗しない鉄則だと言えるでしょう。
失敗しない重低音おすすめの基準

「YouTubeで聴いたあの音が忘れられない」「とにかく誰よりも太い音を出したい」。その情熱は痛いほど分かります。しかし、マフラー選びにおいて「音質(重低音)」だけを追い求めると、高確率で「走っていて楽しくないハーレー」が完成してしまうという残酷な現実があります。
失敗しないための最大の基準は、ズバリ「音質と走行性能のトレードオフ(交換条件)」を正しく理解し、自分の許容範囲を見極めることです。ここでは、多くの先輩ライダーが陥ってきた「失敗の典型パターン」から、後悔しないための選び方を学びましょう。
1. 「抜けの良さ」と「低速トルク」の物理的な矛盾
重低音を出すためにマフラーの口径を広げたり、内部の遮蔽板(バッフル)を極限まで減らしたりすると、排気効率、いわゆる「抜け」が良くなります。
しかし、エンジンの特性上、排気がスムーズすぎると排気管内の圧力(背圧)がかからず、シリンダー内の混合気を吸い出す力(排気慣性効果)が弱まってしまいます。
その結果、何が起こるかというと、ハーレーの醍醐味である「低速トルク」がごっそりと消滅します。
【悲報】トルクがスカスカになると起きる現象
- 発進が原付より遅くなる:
信号待ちからのスタートで、今まで通りアクセルを開けても前に進まず、エンストしそうになります。 - 街乗りがギクシャクする:
渋滞や交差点での徐行時に、エンジンの粘りがなくなり、半クラッチを多用しないと安定しません。 - 加速感の喪失:
アクセルをガバッと開けても、音だけが「バリバリ!」と大きくて、車速がついてこない「空回り感」に襲われます。
「音は最高だけど、走ると遅くて疲れる」。これは最もよくある失敗例です。街乗りやツーリングがメインで、ストップ&ゴーが多い日本の交通事情では、「あえて抜けすぎないマフラーを選ぶ」ことや、「トルクコーン」などのパーツで排圧を調整する知恵が必要になります。
2. 「重低音」と「近隣環境」のバランス
次に考慮すべき基準は、あなたの「駐車環境」です。
重低音マフラーの中には、アイドリングだけで窓ガラスを振動させるほどの音圧を持つものがあります(例:Khrome Werksのバッフルなし仕様など)。
もしあなたが閑静な住宅街やマンションにお住まいの場合、早朝や深夜の出発が気まずくなり、最終的に「バイクに乗るのが億劫になる」という本末転倒な事態を招きます。「音質は妥協したくない、でも近所迷惑も困る」という場合は、以下のような選択肢を検討基準に入れてください。
- 消音バッフルが装着可能なモデルか?:
後から音量を絞れる構造になっているか確認する。 - 可変バルブ(Jekill & Hyde等)の導入:
予算はかかりますが、スイッチ一つで「純正並みの静寂」と「激しい重低音」を使い分けられるため、環境問題は完全に解決します。 - 北米純正(パンチアウト):
爆音すぎず、それでいて鼓動感はある「大人のバランス」を狙う。
3. 結論:失敗しないためのチェックリスト
これらを踏まえると、理想的なマフラー選びの基準は以下のようになります。
自分に合ったマフラーを見極める3つの問い
- 走行エリアは?:
信号が多い街乗りメインなら、少し細めや長めのマフラーで「低速トルク」を残すべき。高速道路メインなら、抜けの良い太いマフラーで「高回転の伸び」を楽しめる。 - 許容できる音量は?:
自宅前で暖機運転ができるレベルか? それともガレージ保管で爆音でもOKか? - 予算に「チューニング代」は入っているか?:
ここが最重要です。もし「抜けの良い重低音マフラー」を選ぶなら、失われるトルクを取り戻すためにインジェクションチューニング(燃調)がセットで必須になります。マフラー代だけで予算を使い切ると、スカスカの状態で乗り続けることになります。
「マフラー交換」と「インジェクションチューニング」は、本来セットで考えるべきカスタムです。この点を理解せずにマフラー単体だけを変えてしまうことが、失敗の最大の原因です。
「重低音を手に入れつつ、走りも犠牲にしない」。この欲張りなゴールを目指すなら、チューニングによる補正を前提としたマフラー選びを強くおすすめします。
ちなみに、具体的な金額については『ハーレーのチューニングの費用はいくら?相場と内訳を徹底解説』でかなり深掘りしていますので、「まずは相場だけ知りたい」という方はこちらをサクッと読んでみてください。
こだわりの各社マフラーメーカー

ハーレーのアフターマーケット市場には星の数ほどのマフラーが存在しますが、「重低音」という一点において、ユーザーから熱狂的な支持を集めているメーカーは明確に分化しています。ここでは、特に評判の良い主要ブランドの設計思想について深掘りしてみましょう。
Khrome Werks(クロームワークス):重低音の絶対的ベンチマーク
「とにかく低い音が欲しい」という相談を受けた時、多くのベテランライダーが真っ先に名前を挙げるのがKhrome Werksです。このメーカーの凄さは、徹底的に「重低音」にこだわった設計にあります。
特に同社の3インチスリップオンマフラーは名作中の名作です。2.5インチモデルと比較して管径が太いため、空間容積が広く、低周波が増幅されやすい構造になっています。
また、非常に肉厚なスチールを使用しているため、高周波のノイズがカットされ、アイドリング時には「ドッドッドッ」という、地面を揺らすような深い鼓動感を奏でます。音量はそれなりに大きいですが、耳に刺さるような不快な高音がないため、長時間乗っても疲れにくいという特徴もあります。
Vance & Hines(バンス&ハインズ):品質とサウンドの標準化
世界中で最も装着率が高いと言われるのがVance & Hinesです。品質、メッキの美しさ、そして性能のバランスが高次元でまとまっています。
音質の傾向としては、一般的に「バリバリ」とした歯切れの良いクリスプサウンド(Crisp Sound)が特徴です。Khrome Werksが「湿った重低音」なら、Vance & Hinesは「乾いた快音」といったイメージでしょうか。
しかし、最近のモデルでは環境規制に対応したPCX(Power Chamber Exhaust)技術を導入しており、触媒を内蔵することで爆音を抑えつつ、トルクを確保し、より深みのある「質の高い重低音」へとシフトしています。「失敗したくないならまずはバンス」と言われるのも納得の完成度です。
S&S Cycle(エスアンドエス):パフォーマンス志向のドライサウンド
エンジンのパフォーマンスパーツメーカーとしての背景を持つS&Sは、何よりも「排気効率」を最優先した設計を行います。代表作であるGrand Nationalシリーズなどは、レースシーン由来のデザインを持ち、音質は非常に乾いたドライな低音です。重低音というよりは、レーシーで硬質な鼓動感を求める方に適しています。
独特な音質のコブラの特徴

「ハーレーのマフラーといえばVance & Hines(バンス&ハインズ)」というのが世の常識ですが、もしあなたが天邪鬼で、「人と同じ音はつまらない」「もっと野性味が欲しい」と感じているなら、Cobra(コブラ)という選択肢は、まさにあなたのためのものです。
主要メーカーの中で、ひときわ独特な存在感を放っているコブラ。その最大の特徴は、何と言ってもその「音質」にあります。多くのユーザーを虜にする、その中毒性の高いサウンドの秘密を深掘りしていきましょう。
「乾いたバンス」対「湿ったコブラ」
音の聞こえ方は主観的なものですが、多くのハーレー乗りが口を揃えて言うのが、「バンスは乾いていて、コブラは湿っている」という表現です。
Vance & Hinesが「パパパン!」という、スネアドラムのような歯切れの良さと高音域の抜け(ドライなサウンド)を特徴とするなら、Cobraは「ドロドロドロ…」という、まるで水飴をかき混ぜているような粘り気のある重低音(ウェットなサウンド)を奏でます。この湿り気のある音成分が、アイドリング時には不気味なほどの迫力を、加速時には地面を這うような重厚感を生み出します。
名作「3インチ RPT」の魅力
コブラのラインナップの中でも、特に重低音フリークから絶大な支持を集めているのが「3インチ RPT(Race Pro Tips)」シリーズです。
このマフラーの凄さは、単に音が太いだけではありません。マフラーエンド(排気口)のデザインに、削り出しの美しいチップを採用しており、見た目の高級感が半端ないんです。後ろから見られた時に、「おっ、こいつタダモノじゃないな」と思わせる説得力があります。
コブラの一部のフルエキゾーストマフラーには、「PowerPort(パワーポート)」という独自の技術が採用されています。これは、一見独立しているように見える2本のエキパイを、見えない部分で連結(クロスオーバー)させている構造のことです。
これにより、2-in-1マフラーのような排気干渉効果を生み出し、抜けの良いマフラーにありがちな「低速トルクの低下」を防いでいるのです。音だけでなく、走りもしっかり考えられているのがコブラのニクイところです。
スポーツスター乗りから選ばれる理由
特にスポーツスター(XL1200/883)オーナーの間で、コブラの装着率が異常に高いのには理由があります。
スポーツスターのエンジンは高回転型で、純正や肉薄なマフラーだと「カシャカシャ」「キンキン」といったメカノイズや高音が耳につきやすい傾向があります。しかし、コブラのマフラーは非常に肉厚で容量も大きいため、これらの不快な高周波をバッサリとカットしてくれます。
その結果、スポーツスターの車格とは思えないほどの、ビッグツインに負けない「図太い重低音」を手に入れることができるのです。「スポスタの音が軽い」と悩んでいる方にとって、コブラは特効薬になり得ます。
注意:アクセルオフ時の「破裂音」について
そんな魅力的なコブラですが、一つだけ注意点があります。それは、抜けが良いためにアフターファイヤー(アクセルを戻した時のパンパン!という破裂音)が出やすいという傾向です。
コブラ特有の「ドロドロ」した重低音は最高ですが、減速のたびに「バリバリバリ!」と爆竹のような音が鳴るのは、あまりスマートではありませんし、エンジンにも負担がかかります。
この「バリバリ音」を消し、コブラ本来の「湿った重低音」だけを純粋に楽しむためには、燃調の適正化が不可欠です。「マフラー交換と合わせると、結局いくら必要になるの?」と不安な方は、工賃や部材費も含めた相場をまとめた『ハーレーのチューニングの費用はいくら?相場と内訳を徹底解説』を事前にチェックして、予算計画を立てておくと安心ですよ。
コブラは、その名の通り「毒」を持っています。一度そのドロドロとした重低音を味わってしまうと、もう他の乾いた音には戻れなくなるかもしれません。Vance & Hinesの優等生的な音に飽きてしまった方は、ぜひYouTubeなどで試聴して、その野性味溢れるサウンドを確認してみてください。
注意が必要な一番うるさいマフラー

マフラー選びで最も注意が必要なのが、「重低音」と「爆音」を履き違えてしまうことです。「一番うるさいマフラーをください」とショップで注文するのは、あまりおすすめできません。
一般的に「一番うるさい」とされるマフラー(例えば極端に短いショート管や、ドラッグパイプ、バッフルを抜いた直管など)は、排気ガスが何ら減衰されずに大気開放されるため、重低音というよりは「破裂音」に近い音になります。これは「ドッドッ」ではなく「ババババッ!」という、耳をつんざくような高周波を含んだ音です。
「爆音」マフラーのデメリット
- 近隣トラブルのリスク:
住宅街での暖機運転が不可能になり、ご近所との関係が悪化する最大の原因になります。 - 長距離走行での疲労:
常に爆音にさらされることで、ライダー自身の聴覚疲労やストレスが蓄積しやすくなります。 - 極端なトルクダウン:
抜けが良すぎて排圧がかからず、低速がスカスカになり、発進が困難になることがあります。 - 取り締まり対象:
当然ながら車検には通らず、路上での取り締まり対象となるリスクも高まります。
国土交通省も騒音対策には力を入れており、不正改造車の排除運動などを定期的に行っています。公道で楽しむ以上、社会的なルールの中で「気持ちの良い音」を追求するのが、大人のハーレー乗りの流儀かなと思います。
車種別ハーレーのマフラーで重低音のおすすめモデル
ここからは、具体的にどのマフラーを選べばよいのか、車種(ファミリー)別の特性に合わせて解説していきます。
ハーレーは、ソフテイル、ツーリング、ダイナなど、搭載されるエンジンやフレーム構造によって、最適なマフラーの選択肢が全く異なります。あなたの愛車にシンデレラフィットする一本を見つけてください。
ユーザー支持の高い人気ランキング

ハーレーのカスタムにおいて、「人と被りたくない」という気持ちは痛いほど分かります。しかし、マフラー選びにおいてだけは、「多くの人が選んでいるものには、それだけの理由がある」という事実を無視してはいけません。
人気モデルを選ぶ最大のメリットは、その「信頼性」と「情報の多さ」です。SNSやYouTubeで実際に装着した音を簡単に探せますし、万が一のトラブルやセッティングについても、先人たちの知恵(データベース)が豊富に存在します。ここでは、全ファミリーを通じて圧倒的な支持を得ている、失敗知らずの「鉄板」3大モデルを深掘りしてご紹介します。
【2025年版】重低音マフラー人気TOP3
- Khrome Werks(クロームワークス)
– 3インチ HP-Plus スリップオン - Vance & Hines(バンス&ハインズ)
– Eliminator 300 / 400 - S&S Cycle(エスアンドエス)
– Grand National スリップオン
1. Khrome Werks 3インチ HP-Plus スリップオン
「重低音絶対主義」の行き着く先。
もしあなたが、「音量は大きくてもいいから、とにかく腹に響く低い音が欲しい」と願うなら、迷わずこれを選んでください。クロームワークスの最大の特徴は、特許技術である「HP-Plusバッフル」の構造にあります。
この内部構造は、排気ガスを複雑に迂回させることなく、ストレートに近い抜けを確保しながら、金属的な高周波ノイズ(ビビリ音)だけを徹底的に吸収するように設計されています。
その結果、アイドリングでは「ドッドッドッ」という地面を揺らすような重厚な鼓動感を、加速時には「ズダダダダッ!」という暴力的なまでの音圧を生み出します。
特にスポーツスターやダイナモデルでの装着率は異常に高く、「これに変えて音が軽くなった」という話を私は一度も聞いたことがありません。ただし、音量はかなり大きめ(爆音の一歩手前)なので、住宅環境には注意が必要です。
2. Vance & Hines Eliminator 300 / 400
見た目も音も妥協しない、優等生な実力派。
「バンス=ショートショット」というイメージが強いかもしれませんが、重低音派に今最も選ばれているのは、このEliminator(エリミネーター)シリーズです。ソフテイル用は「300(3インチ)」、ツーリング用は「400(4インチ)」という名称で展開されています。
このマフラーの魅力は、何と言ってもその「質感の高さ」と「洗練されたデザイン」です。エンドキャップ(マフラーの出口)はCNC削り出しで高級感があり、車体のカスタム度を一気に引き上げてくれます。
音質に関しては、Khrome Werksほど重低音特化ではありませんが、最新のモデル(PCX仕様)では触媒の効果により、角の取れた非常に上品で力強い低音を奏でます。「爆音すぎて疲れるのは嫌だけど、純正よりは遥かに良い音が欲しい」という、大人のライダーにとっての最適解と言えるでしょう。
3. S&S Cycle Grand National スリップオン
住宅事情に合わせて音を変えられる、現代の賢い選択。
ここ数年で急激にシェアを伸ばしているのが、老舗エンジンメーカーS&SのGrand National(グランドナショナル)です。フラットトラックレースからインスパイアされたレーシーなデザインも魅力ですが、人気の秘密は「可変バッフル(DB Reducer)」が標準装備されている点(※一部モデルを除く)にあります。
このマフラーは、ボルト一本で脱着可能な遮蔽板が付属しており、これを装着した状態では「車検対応に近い静かさ」を、取り外せば「サーキットレベルの重低音」を楽しむことができます。「平日の早朝は静かに、休日のツーリング先では全開で」といった使い分けができるため、近隣トラブルを気にする日本の住宅事情に最もマッチしたマフラーかもしれません。
【選び方のヒント】
- 音の「低さ・太さ」最優先 ⇒ Khrome Werks
- 「見た目の高級感」と「程よい音量」 ⇒ Vance & Hines Eliminator
- 「自分で音量調整したい」機能性重視 ⇒ S&S Grand National
これら3つのモデルは、どれを選んでも「失敗した…」と後悔することはまずありません。YouTubeの試聴動画なども参考になりますが、最終的には「自分が一番カッコいいと思う見た目」で選んでしまうのも、愛着を持つための重要なポイントですよ。
迫力で選ぶ音量・音圧ランキング

ハーレーの音選びにおいて、「音量が大きい=迫力がある」とは限りません。本当にライダーの心を震わせるのは、音のボリューム(デシベル)ではなく、体全体で感じる「音圧(Sound Pressure Level)」と「周波数の低さ」です。ここでは、私が実際に多くのマフラーを試聴し、独自の視点から体感的な迫力、すなわち「腹に響く度合い」でランキング付けしました。
【体感迫力】重低音マフラー音圧ランキング(目安)
- Khrome Werks 3インチ(バッフル仕様による)
- Cobra 3インチ RPT
- 北米純正マフラー(パンチアウト加工)
第1位:Khrome Werks 3インチ HP-Plus(バッフル仕様による)
内臓を揺らす、暴力的なまでの音圧。
やはり、音圧という点でKhrome Werksの右に出るマフラーは少ないでしょう。このマフラーが醸し出す重低音は、ただ単に「うるさい」のではなく、「音の塊が飛んでくる」という表現がぴったりです。
- アイドリング時:
心臓の鼓動と共鳴するような低い周波数(約40Hz〜60Hz)を増幅するため、信号待ちで停止しているだけで、周囲の車や隣のバイクの音が遠くに聞こえるほどの存在感を発揮します。 - 加速時:
低速トルクが犠牲にならないようチューニングすれば、アクセルを開けた瞬間に車体を前に押し出す「排気の壁」を感じられます。
ただし、迫力が極めて高いため、多くの住宅街では確実に苦情の対象になりえます。音圧を少しでも抑えたい場合は、必ず純正もしくはオプションの「クワイエットバッフル」を装着することを強く推奨します。迫力と近隣配慮のバランスを取る努力が必要です。
第2位:Cobra 3インチ RPT
ドロドロとした低音の渦に包まれる感覚。
Khrome Werksが「力強さ」なら、Cobraは「粘り気」で迫力を訴えかけてきます。その独特な「湿った重低音」は、音圧こそKhrome Werksにわずかに譲るものの、音の密度の濃さで上回ります。
- 体感の特徴:
周波数が均一で、ドロドロと連なる排気音は、まるで自分自身が低音の「渦」の中にいるような没入感を与えます。特にソフテイルなどのビッグツイン系では、エンジン本来のトルクフルな鼓動を増幅させ、より濃厚なサウンドを体感できます。 - 性能の安定性:
前述の「パワーポート」技術のおかげで、極端に低速トルクが落ち込みにくい構造になっているため、音の迫力を楽しみながらも、街乗りでの実用性を比較的維持しやすいというメリットがあります。
第3位:北米純正マフラー(パンチアウト加工)
コストパフォーマンス最強!合法的に楽しむ大人の重低音。
社外品のような圧倒的な「爆音」ではないものの、総合的な満足度と安心感で第3位にランクインさせたのが、この「北米純正マフラーの加工品」です。
- 加工の仕組み:
日本仕様の純正マフラーは内部が複雑な構造になっていますが、北米仕様(US仕様)は元々抜けが良い設計です。この北米仕様の出口付近に、約12mm~16mm程度の穴を意図的に開ける(パンチアウト)ことで、消音性能を少しだけ緩和します。 - メリット:
純正ベースなので、外観はそのまま。社外マフラーのような極端な音量増大がなく、ヘルメット越しに十分な鼓動感を感じられるレベルに収まります。そして何より、安価に手に入りやすいのが魅力です。 - 法的観点:
ただし、これは「グレーゾーン」のカスタムであることは認識しておく必要があります。マフラーは車検に通るものを選ぶべきですが、正直、「良い音にはしたいけど、車検のたびに戻すのは面倒…」という本音、よく分かります。そんな方は、購入前に『ハーレーのマフラーの車検対応基準と合格ポイント徹底解説』で、どこまでがセーフなのか境界線を確認しておきましょう。
必須のソフテイル重低音マフラー

2018年以降のMilwaukee-Eight(M8)エンジンを搭載するソフテイルファミリーは、エンジンのメカノイズが静かになった分、マフラー交換による音の変化が劇的に感じられるモデルです。ただし、選ぶ際には年式による適合に細心の注意が必要です。
| 年式・モデル | エンジンの特徴 | マフラー選びの注意点 |
|---|---|---|
| ~2024年まで (M8 107/114/117) | 非常に静粛性が高い。 重低音が出にくい。 | スリップオン交換だけでも十分な変化を楽しめます。 Khrome WerksやV&HのEliminator 300が定番です。 |
| 2025年モデル~ (M8 117統一) | 排気量拡大(1,923cc)。 フレーム周りの変更あり。 | 要注意! ローライダーS/ST等で純正エキゾーストが2-in-1に変更。 サドルバッグブラケット等の形状変更により、 従来のスリップオンが装着できないケースが多発しています。 必ず2025年対応品を選んでください。 |
特に2025年モデルのオーナー様は、まだ情報が出揃っていない部分もあるため、適合確認は慎重に行ってください。これまでの常識が通じない「別物」になっている可能性があります。
良い重低音を出すには、マフラーだけでなくエンジンの特性を知ることが近道です。『ハーレーのミルウォーキーエイトの真実!故障や中古選びを徹底解説』を読んで、トータルバランスの取れたカスタムを目指しましょう。
定番のツーリングマフラーの人気

ロードキングやストリートグライドなどのツーリングファミリーにおいては、マフラー選びのアプローチが少し異なります。「スリップオンマフラーだけ交換したけど、思ったほど音が変わらなかった…」という経験はありませんか?
その原因は、純正のヘッダーパイプ(エキゾーストパイプ)にあります。ツーリングモデルのエキパイ集合部には、強力な触媒(キャタライザー)が内蔵されており、これが消音効果と排気抵抗の大部分を担っているのです。そのため、後ろのサイレンサーだけを変えても、その効果は限定的になってしまいます。
ツーリングモデルで真の重低音を目指すなら、「ヘッダーパイプごとの交換」が最も効果的です。
- Vance & Hines Power Duals:
エキパイをクロスさせるチャンバー構造により、排気干渉を利用してトルクを高めつつ、左右の排気バランスを整えます。見た目のカスタム感も抜群です。 - HKRヘッダー(Hiro Koiso Racing):
純正のヒートシールドを流用できるため、見た目は純正風を保ちつつ、中身は高性能なステンレス製ヘッダーになります。触媒レスによる熱対策効果が高く、右足の熱さを軽減しながら、歯切れの良い重低音を実現します。
鼓動感が魅力のダイナ

今は生産終了となってしまいましたが、ラバーマウントされたTwin Camエンジンを持つダイナファミリーは、今でも「音」と「振動」において特別な存在です。アイドリング時にエンジンが生き物のように揺れる姿、あれこそがダイナの真骨頂ですよね。
このダイナ特有の激しい振動は、聴覚的な重低音とシンクロすることで、身体全体を震わせる強烈な「鼓動感」へと昇華されます。この特性を最大限に引き出すには、やはりKhrome Werksとの相性が抜群に良いです。
ダイナにKhrome Werksを装着した場合、アイドリングの「ドッドッドッ」という音に合わせて車体が揺れ、信号待ちをしているだけでニヤけてしまうような、至福の時間を味わえます。
また、住宅環境が気になる方は、手元のスイッチで音量を可変できるJekill & Hyde(ジキル&ハイド)を導入し、街中は静かに、峠では全開でダイナらしいサウンドを楽しむという運用も増えています。
総括:ハーレーのマフラーで重低音のおすすめ
ここまで、仕組みから車種別の選び方まで長々とお話ししてきましたが、最後に一つだけ、どうしてもお伝えしたいことがあります。
それは、「マフラーを変えたら、必ずインジェクションチューニングをしてほしい」ということです。
現代のハーレーは、厳しい排ガス規制に対応するため、純正状態でガソリンの噴射量がギリギリまで薄く(リーンバーン)設定されています。この状態で抜けの良いマフラーに交換すると、空気だけがたくさん入ってきてガソリンが足りない「超・希薄燃焼」状態になります。
これは、エンジンのオーバーヒート、低速トルクのスカスカ感、アクセルオフ時の「パンッ!」というアフターファイヤーの原因になります。最悪の場合、エンジン内部を損傷させるリスクすらあります。
「重低音」は、適切な燃調(チューニング)によって爆発エネルギーが最適化された時にこそ、最も美しく、力強く響きます。インジェクションチューニングのメリットと三拍子については、以前の記事でも熱く語っていますので、ぜひ参考にしてください。
マフラー選びは、あなたのハーレーライフを彩る最大のイベントです。見た目、音質、そして性能。全てのバランスを考慮して、あなただけの最高の一本を見つけてください。そして、そのマフラーから奏でられる重低音とともに、どこまでも走り続けましょう!

